第24章 中忍試験 3
―――カカシと一緒に来たのは、茶屋だった。
「ごめんねー、このあと何か用事あった?」
「いえ・・・」
「大丈夫、そんな時間はとらせないよ。ちょーっと聞きたいことがあるだけなんだよね」
カカシはそう言って私を見る。
ネコ姿になったスイレンは、そんなカカシをじーっと見ている。
「スイレン、そんな目しなくたって大丈夫だと思うよ?」
「オレ・・・そんなに信用ない?」
その言葉に反応するようにスイレンが威嚇するように牙を剥く。
「スイレン、落ち着きなって・・・」
と、頭を撫でるが、相変わらずなので放置することにしたが、次にきたカカシの質問は単刀直入なものだった。
「ねえ、クロさ・・・お前、サスケを庇おうとしてソレつけられたらしいじゃん」
「・・・」
「もちろん、感謝してるよ。アイツらを守ってくれてありがと。お前がいなかったら、死んでいたかもしれない」
「・・・いえ」
変な緊張感が私のなかで生まれる。
(何を聞かれるんだろう・・・)
「・・・だけどね。アイツらから話を聞けば聞くほど・・・オレはお前のことが分からなくなっていくんだよ」
(もしかしてこれは・・・)
「お前も見たんだろうから分かるだろうけど、大蛇丸はフツーじゃない。尋常じゃない迫力と、殺気・・・オレも戦ったから分かる」
「オレは思うわけよ・・・その前で動けたお前は―――」
(・・・面倒なことになったかもしれない・・・)
「―――ただ者じゃないってね」
カカシの視線に気づいていたが、私はそっちを見ようとはせず、何と答えるべきか思考を巡らせていた。
「・・・別に、私は何てことない人間ですよ。三代目様のご厚意に甘えている人間です」
「そう?オレにはそうは見えなかったけど」
「・・・これを聞くためにわざわざ?」
「まあね」
カカシは何てことないように言う。
その軽さが、逆に私を冷静にさせた。
「オレね、調べたんだよ、お前のこと。ごめんねー、でも気になったからさ」
「・・・」
「まず、クロってさ。偽名でしょ」
「なに当たり前なこと言ってるんですか・・・普通こんな名前の人いないでしょ」
「あ、そこはあっさり認めるのね」
「騙されてくれるのはナルトくんか、私のこと知らない人くらいですよ」