第24章 中忍試験 3
三代目は私が三代目のいる場所に行くと、まるで私が来ることを分かっていたかのように、「ついてこい」と言った。
そして、ついたのは火影室。
促されるままに席に座ると、三代目は外に向けて言った。
「カカシとアンコをここへ」
「はっ」
男性の声が返ってきた。
多分、暗部に向けて言ったのだろう。
返事が返ってきたことを確認すると、三代目は私の座っているソファの前に座った。
ただ挨拶をしに来たはずなのに、なぜここに・・・。
すると、三代目は私の思っていることが分かっているように言った。
「おぬしのことじゃから、里に来るときはワシに挨拶をしにくるじゃろうと思ってな。まったく・・・小さいのに律儀じゃのう」
「いえ・・・あの・・・」
「そう緊張するな・・・くつろいでくれ。おぬしの隣のヤツのようにな」
ふと横を見る。
「・・・」
横では、スイレンがたい焼きを食べていた。
ふいにスイレンの持っている茶色の紙袋の中を覗いてみる。
「・・・ちょっとスイレン」
『?』
「確かに私は、お金を渡して、好きなもの買ってきていいよって言ったけど・・・アンタ、こんなに買って全部食べきれるの?言っとくけど、私、そんなに甘いものすきじゃないよ?」
『え、キミ食べないの?仕方ないなあ、僕が全部食べるよ』
「・・・ホント好きだね」
そうしていると、ドアがノックされた。
「入れ」と三代目が言うと、ドアが開く。
「失礼します、三代目」
二つの男女の声が聞こえた。
そう言ってはいってきたのは、カカシとアンコだった。
カカシは私の顔を見るなり、「久しぶり」と軽い調子で言った。
「あの、三代目様・・・それじゃ私は、これで・・・」
「何言ってんの。お前が来たからオレたちが呼ばれたんでしょーが」
「え?」
思わず三代目を見ると、頷いている。
(いや・・・意味不明。私何かしたっけ・・・)
「・・・もしかして勝手に帰ったことですか?」
「え?いや、違うけど・・・」
「じゃあ・・・?」
他に考え付くものがなくて、首をかしげるとアンコが目の前に座って言った。
「あなた・・・ちょっと手を見せてくれない?」
「・・・手?」
(左手には呪印が・・・)
「いいですけど」と言いながら右手を出す。