第23章 休息と隠し事
角都がパッと、ハルの手から手を離す。
すると、ハルの体はドサリ、と床に倒れてしまった。
「・・・さすがに疲れたか」
意識はある。
起き上がろうとしても、体が言うことを聞いてくれない。
スイレンがじっと私を見ている。
(スイレンには・・・あとで・・・謝っておこう)
すると、誰かに上半身を抱き上げられた。
「イタチ兄さ・・・」
目の前にはイタチの顔がある。
その腕に抱きあげられ、私はイタチの部屋まで移動させられたのだった。
「ハル、疲れただろう。寝たほうがいい」
「あの、ごめん・・・私、」
「話はあとから聞く。今は休め」
「・・・うん」
ベッドに私を横たわらせて、返事をすれば、イタチは私の頭を撫でて部屋を出て行ってしまった。
パタン、と閉じる部屋の扉。
「・・・・・・」
怒らせてしまった、と顔を歪める私に、スイレンの声が掛かった。
『ハル、大丈夫?』
「あ、スイレン・・・」
ごめん、と謝罪の言葉を口にすると、スイレンは首を振った。
『仕方ないよ。まだ、不安定だからさ。でも、ほらやっぱり、腕切った方がいいんじゃない?』
「それ笑えない・・・前にも言ったけど、生えてこなかったらイヤなんだってば」
(封邪法印って・・・サスケがカカシにしてもらったやつだよね)
偶然・・・かな?
でも、同じ封印術ならどういうものか分かるから助かったかも。
「ハア・・・」
『寝なよ』
「うん。そうだね・・・」
目を閉じれば、今にも寝れそうだ。
「じゃあ・・・私、寝るね・・・」
『うん。お疲れさま・・・よく寝てね』
「ごめん・・・ありがと」
そう言ったのが最後、私は深い眠りへ落ちていった。