第23章 休息と隠し事
―――ついに、イタチが包帯を取った。
「これは・・・?」
「おいおい、これってヤバいやつなんじゃねーか?うん」
「なんだコレ?・・・“呪印”ってヤツか?」
それぞれが呟く。
イタチは私の手を握ったまま、私の顔を見た。
「ハル、お前・・・」
黙った私を角都はゆっくりと下に降ろした。
「これ・・・どうしたんだ?」
「・・・」
「ハル。オレに言えないか?」
(―――どうしたらいい?)
どう答えたらいいのか、まったく分からない。
正直に言うのも一つの手かもしれない。
でも、それでは大蛇丸とどこで接触したのかということが問題になってくる。
(・・・ウソはつきたくない)
返す言葉もなく俯いていると、イタチも黙ってしまった。
「・・・ごめんなさい」
謝ることしかできなくて、ポツリと呟くと、それを見守っていた角都の声がした。
「とりあえず、こっちへ来い、ハル」
「え・・・?」
「お前のソレを封印する。話はそれからだ」
―――いいな、イタチ。
角都がイタチを見てそう言うと、イタチは「・・・ああ」と固い表情で頷いた。
「じゃあ、ハル。お前のソレを封印する。・・・脱げ」
「・・・え」
「封印の前に準備があってな。どこの誰につけられたか知らんが、出かけるならもうちょっと用心しろ」
「・・・はい。反省してます・・・」
食事から一変、居間のテーブルは奥へと移動させられ、代わりに、そこには封印のための術式が描かれていた。
その陣の中に、上半身裸で、身体にも術式が描かれている私がいた。
「・・・いくぞ」
術式をすべて描き終えたらしい角都が私の手の呪印に手をかざす。
頷くと、それを確認した角都が呪印に手を当てる。
「封邪法印」
角都がそう言うと、同時に私の体を強い衝撃が襲った。
「ッ・・・ア゛ッ・・・!」
苦しげな声をあげるハルを見て、イタチの表情は歪んだ。
「ぐっ・・・!」
「あと少しだ。我慢しろ」
角都が励ましともとれるような言葉をかけるが、ハルには聞こえているだろうか。
すべての術式が呪印に集まるころには、ハルの体は限界を迎えていた。