第23章 休息と隠し事
夕食中。
小南とペインはあれから帰ってきていないようで、テーブルには二つ空席があった。
そして、一つ驚いたことは、サソリがついに胃まで傀儡化したということだった。
「・・・え!?」
「別に驚くことじゃねえだろ」
「じゃあご飯は!?」
「いらねえ。食べる必要がないからな」
と言いつつも、サソリも席には着くようで、デイダラと話していた。
その様子をボーッと見ていると、横から声がした。
「ハル?・・・食わないのか?」
「あ・・・食べる食べる」
(サソリの考えることは分かんないな・・・)
そう思い、お茶を飲もうとコップを口に持っていった瞬間―――
「いっ・・・!!」
ズキン!と鋭い痛みが左手に走った。
直後、コップが床に落ち、パリーン!という音がその場に響く。
「ご、ごめんなさい・・・!」
散らばったであろうガラスの破片を集めようと慌ててしゃがむ。
だが、左手の痛みはなかなか消えてくれない。
(呪印・・・!?なんで・・・)
思わず手で覆う。
スイレンが私の異常に気がついたようで私の名前を呼んだ。
『ハル!』
「大丈夫。大丈夫だから・・・」
少し痛みが和らぐと同時に、ガラスを拾おうと手を伸ばすが、その手はサソリによって遮られた。
「テメェ、何回言ったら学習すんだ?このガキが」
「さ、サソリ・・・でも、」
「お前はこっちだ」
イタチの声が聞こえたかと思うと、左手を掴まれた。
「ちょっ・・・!」
(幸い、包帯を巻いているから見えていないものの、取ってしまったら・・・!)
イタチは背を向け、私の左腕を自分の右脇に挟むようにし、私に言った。
「お前、何か隠してるだろう?・・・おい、デイダラ」
「オイラ?・・・まあいいけど」
そう言って近づいてくるデイダラ。
嫌な予感。
「ちょっと・・・!」
「じゃ、外すぞ、うん・・・あ?これどうなってんだ?」
デイダラは手の包帯に手をかけようとする。
「やめっ・・・て、ってば!」
包帯を取るために顔を近づけたデイダラのおでこをパチンと叩く。
デイダラは「イッテ!」とおでこを押さえる。
一瞬、イタチの力が少し緩んだのを逃さず、私は腕を振りほどき、奥の方へ走り出した。