第23章 休息と隠し事
少しすると、不死身コンビが出てきた。
まず、飛段に抱きつく。
「あ、お前、ハルじゃねえか。見ねえと思ってたんだぜ」
そう言うと、飛段は私を抱き上げた。
首に手を回し抱きつくと、スン・・・と何かの匂いがした。
「ねえ、飛段さん」
「?」
「・・・若干、汗臭い、か、も・・・」
どうやら任務帰りのようだ。
すると飛段はビシッと固まり、「え、マジで」と呟いた。
そこからの飛段の行動は早かった。
近くにいた角都に私を預けると、そのまま風呂場に直行した。
「アイツ、風呂行ったぞ」
「ま、子どもは正直だからな」
「ちょっと失礼だったな・・・」と呟くと、角都の声が横からした。
「いや、ちょうどいい。アイツにはこれくらいで」
「か、角都さん」
横を向くと角都が目が合う。
そのまま抱きつくと、彼はあからさまに戸惑ったような声を出した。
「おい、イタチ。どうにかしろ」
「ハハッ、いいじゃないか」
角都が黙ったので、そろそろかな、と下に降りる。
そして、最後にソファにいるイタチの元へ。
「良かったな、ハル」
「うん。最後はイタチ兄さんだよ」
そう言えばイタチは私を抱き上げ、自分の膝に座らせた。
「で、今日はどうしたんだ?いきなり、みんなに甘えたりして」
「・・・久しぶりに会えて嬉しかったから、かな」
「充電キャンペーンってことで」と言うと、イタチは「そうか」と目尻を下げた。
しばらくすると、スイレンが来て私を嗅ぐと『なんかいろんな匂いがする・・・』と言ってきた。
「まあ、いろんな人に抱きついたからね」
イタチの膝から降り、スイレンの頭を撫でる。
すると、その様子を見ていたイタチが、ふと私に尋ねた。
「おい、ハル。それ・・・どうしたんだ?」
「え?」
「左手。お前、ケガでもしたのか?」
イタチに言われ、左手を見てみる。
(ゲッ)
「あー・・・うん。ちょっとしくじってね」
「見せてみろ」
「え!?いや、いいよ!」
(呪印だなんてバレたら・・・!)
誰につけられたかまでは分からないだろうが、隠すに越したことはない。
「そうか?・・・気をつけろよ」
「う、うん」
なんとか場を切りぬけた―――と思われたが、問題はそのあとだった。