第23章 休息と隠し事
「小南ちゃーん」
「あら!ハル、戻ったの?良かったわ、心配してたのよ」
「ごめんなさい、ありがとう」
そう言いつつ、ちょうど部屋から出てきたらしい小南に抱きつく。
小南は少し笑い、私を軽く抱き締め返すと「ペインのところにも行ってあげて」と私に言った。
「どこにいるの?」
「そろそろ出てくると思うわ。ほら、来た」
その言葉通り、ペインが居間に出てきた。
(でも・・・みんなに会えて上がったテンションで、ペインに抱きつくのは・・・なかなか勇気のいることだ・・・こ、殺されないかな)
ドキドキしながら彼の元へ行く。
彼は、近づく私に気づき、不思議そうに私を見た。
「なんだ?」
「あ、あの・・・!」
後ろを振り返れば、みんなが私たちを見ている。
小南が「頑張れ」と言わんばかりにニコニコ笑っていた。
「しっ、失礼します・・・!」
そう言い、勢いよく抱きつく。
抱きついたのはいいものの、どのタイミングで離れたらいいか分からず、五秒間くらいそうしていると、不意に頭に手が乗せられた。
「!」
思わず、パッと体を離す。
すると、ペインは膝を折り、私と目線を合わせて言った。
「・・・無事で、何よりだ」
そう言って、ペインは小南と一緒にアジトを出て行った。
「おお・・・あのリーダーが」
「つか、お前らコイツに甘いんだよ」
「旦那、アンタも言えねえと思うぞ、うん」
「ああ!?」
ボーッとしていると、イタチが私に話しかけてきた。
「良かったな、ハル」
「! うん」
まさか、ペインと目を合わせて話せるとは思っていなかった。
思わず笑みをこぼすと、イタチも小さく笑った。