第22章 中忍試験 2
ホッとし、座り込むサクラとサスケ。
ナルトはイルカに抱きついて、喜んでいる。
私はそれを少し笑って眺めていた。
「良かったね、スイレン」
『そうだね。おめでとう、ハル』
「・・・その名前で呼ばれたの・・・久しぶりな気がする」
『寂しくなっちゃった?』
「うーん・・・うん。そうだね」
ちょうど肯定の意を表したとき、イルカと目が合った。
「クロ・・・だったよな?おめでとう。よく頑張ったな」
「! なんで名前・・・」
「覚えてるよ。確かお前、前に教室にサスケの弁当届けに来ただろ?」
・・・そういえば、そんなこともあったような気がする。
ボーッと思い出してみると、サクラが壁を指さして言った。
「あ、そうだ先生!ところであの壁紙は何なの?私たちじゃ全然意味分かんないんだけど」
「これは火影様が記した“中忍”の心得だ」
「天」とは人間の頭を指し、「地」は人間の体を指しているとか。
(さすが三代目・・・考えることが深いな)
「任務における知識の重要性、体力の必要性をさらに心底心得よ!!この“中忍心得”を決して忘れず、次のステップに挑んで欲しい」
「うす!」
ナルトが元気よく返事をする。
(とりあえず、第二の試験合格できて良かった・・・)
ホッと息をつくとともに、これから先への不安も高まっていた―――。
場面は変わり、ある一室では―――。
「どうじゃ。まだ呪印は痛むか?」
「いえ、おかげでだいぶよくなりました」
アンコの首筋に浮かぶ呪印を三代目が気遣うように見ている。
大蛇丸は木ノ葉伝説の「三忍」の内の一人。
暗部すら手が出せなかった、ビンゴブックS級の抜け忍。
すでに死んだという噂もあったのに、なぜこの里に現れたのか。
試験関係者達が疑問を口にしているが、三代目は大蛇丸の目的を察しているようだ。
「サスケじゃろう」
三代目の脳裏には、今回カカシ班に加えたクロのことが思い返されていた。
―――「第二の試験」通過者、総勢22名。
中忍試験規定により、「第三の試験」は5年ぶりに予選を実施。
三代目は「大蛇丸の動きを見ながら、試験はこのまま続行する」と指示を出した―――。