第22章 中忍試験 2
―――その頃、他の全員は。
「ホント小汚いわねー!あんなとこで抱きついてこのデコデコ!」
「世間じゃ先手必勝って言うのよ!いのブタちゃん!」
サクラといのが話していると、フンとそっぽを向いたサクラが「あー!!」と声をあげる。
「ちょっと、なに大声出してんのよ―――あっ!!」
いのもサクラにつられて向いた、二人の目に映ったのは―――。
「クロ!?え!?あの子、何やってんのよー!」
「ちょっとサクラ!あの子誰よ!?」
サスケを押し倒しているクロの姿だった。
「ええ・・・うそぉ!」
しかもサスケは抵抗しない。
―――二人の恋する乙女は、ただただショックを受けていたのだった。
リーの傷の手当てをしているテンテンの後ろで、ネジはポツリと呟いた。
「強敵、か・・・」
その呟きにテンテンが反応する。
「誰が?」
「いや・・・」
「サスケって子?それとも、あのクロって子?」
ネジは答えない。
代わりにリーがテンテンに聞いた。
「あの女の子・・・何かあったんですか?」
「え?あ、そっか。アンタ寝てたから知らないのね」
テンテンが事のいきさつを話している間に、ネジはもう一度サスケとクロを見た。
(あんな状態のうちはサスケを・・・よく一撃で止められたものだ)
「あの女・・・警戒する必要があるな」
ナルトが目を覚ませば、目の前にあったのはシカマルとチョウジの顔だった。
「・・・あれ?オレってば・・・」
「めんどくせーから説明しねー。お前は気楽でいいもんだぜ」
「ホントホント。ボクたちなんて死ぬかもしれないと思ったのに」
「え・・・?どういうことだってばよ・・・」
状況がまったく掴めないまま、立ち上がる。
そんなナルトの目に映ったのは、サスケにくっつくクロの姿だった。
「え゛」
「おー・・・熱いねぇ。つーか、サスケもまんざらでもなさそうじゃん」
「ウソだろ・・・クロだけは、違うと思ってたのに」
・・・・・・要するに、二人がくっついていたのは、その場にいた全員に見られていたというわけだ。