第22章 中忍試験 2
「ドス・・・さん、でしたよね」
あとからスイレンに聞いた話だが、私の左半身は、呪印で覆われていたらしい。
このときの私はそんなことに気がついていなかったが、今思えば、あの時の力が湧いてきた感覚は呪印のせいだったのかと思う。
「退いてくれませんか?」
もう一度、今度はゆっくりと言えば、ドスは静かに巻物を下に置いた。
「・・・分かりました。ここは退かせてもらいましょう。これは手打ち料として・・・」
「ありがとう。話が早くて助かります」
ドスは、ザクとキンを連れてどこへ行こうとする。
それをサクラが引き留める。
「待って!大蛇丸って一体何者なの!?」
「・・・」
「サスケくんと何をしたのよ!クロの手のだって・・・なんでサスケくんに!!」
「分からない・・・ボクらはただサスケ君を殺るように命令されただけだ」
「・・・そこのキミのことは何も聞いていないけど」と付け足すドス。
「キミ・・・名前を聞いても?」
「私?私・・・クロです」
「クロさん・・・ありがとうございます。キミのおかげでボクたちは命拾いをした」
そして、最後に言った。
「あの方は・・・」
「え?」
「サスケくんだけでなく、キミにまでソレをつけたということは・・・何かしらキミに興味を持ったということです」
「・・・・・・」
「次に戦うときは・・・負けません」
「サスケ、大丈夫?」
「ああ・・・」
音忍が去ったあと、サスケの呪印は治まったらしく、猪鹿蝶の三人や、ネジとテンテンたちが下に集まった。
ナルトはまだ起きない。
『大丈夫だった!?』と焦った声色のスイレンが傍に来た。
「ありがとう。でも、大丈夫」
『ホント、ヒヤヒヤさせるんだから・・・』
「ごめんー」
そんな会話をしていると、自然とその場には私とサスケしかいなくなっていた。
「おい・・・」
「?」
「大丈夫・・・か?」
サスケは私の方を見ずに言った。
「その・・・悪かった。お前のこと、振り払って」
「! ・・・反省・・・してるの?」
「・・・してる」
「だったらこっち向いてよ」
そう言えば、ゆっくりと目線だけこっちによこした。
目が合って、でも、すぐに逸らされる。