第22章 中忍試験 2
「斬空極波!!」
ザクによるものすごい空気圧で、辺りの木々はバラバラになった。
(えっ?)
私は―――気がつけば、サスケに抱えられ、移動させられていた。
サクラとナルトも一緒だ。
見上げれば、サスケがザクを吹っ飛ばしていたところだった。
火遁・鳳仙花の術から始まり、ザクを圧していくサスケ。
気がつけばあっという間に、サスケはザクの両腕を掴んでいた。
(やばい・・・―――!!)
そう思った時にはもう、動き出していた。
「クク・・・お前、この両腕が自慢なのか」
「くっ・・・!」
「―――待って!!」
サスケが力を入れようとしたその前に、サスケの腕を掴んだ。
「・・・クロ・・・お前、オレの邪魔をする気か・・・?」
この場にいる全員の視線が、私に向けられていた。
「待ってよ。そこまでしなくてもいいでしょ・・・?」
「・・・コイツはサクラを・・・」
「・・・だからって、」
「―――黙れ」
サスケはそう言うと―――私が掴んでいる片手を勢いよく振り払った。
呪印のせいで体にあまり力も入っていなかったのか、それとも、サスケの力が強かったのか―――私は、かなり後方に飛ばされていた。
「いっ・・・たあ・・・」
再び腕に力を入れようとするサスケ。
(それじゃあ、やむなし・・・よね)
私は急に力が湧きあがってくるのを感じながら、立ち上がり、土を蹴った。
そのまま一気にサスケまでの距離を詰める。
「ッ―――!」
サスケが目を見開き私を見た―――がそれも一瞬で、サスケの体は、後方の木に打ち付けられていた。
「かはッ・・・」
サスケが苦しそうに息をする一呼吸の間に、ザクに手刀を入れ気を失わせる。
ドサ、と倒れこんだザクを一瞥すると、サスケに向き直る。
「今度は、謝らないよ」
「っあ・・・?」
「蹴ったこと。だって・・・お互い様だよね」
そう言うとサスケの呪印が少しずつ引いていくのが確認できた。
(良かった)
「くっ・・・」
「サスケくん!!」
呪印が引いて痛み出したのか、サスケがうめき声をあげる。
そんなサスケにサクラが駆け寄る。