第22章 中忍試験 2
「クロ・・・?なにするつもり―――」
「サクラちゃん、一人に任せてごめんね。でも・・・今度は私がいるから」
「えっ・・・?」
猪鹿蝶チームもそろそろ限界のようだ。
(呪印は痛まない・・・いける)
「スイレン、ヤバくなったら援護よろしくね」
『うん』
スイレンは、いつも通り笑って返してくれた。
前を向くと、ちょうどドスと目が合った。
「次から次へと・・・懲りない連中ですね」
「あの・・・出来れば、退いてほしいんですけど・・・」
「は?・・・お前、なに言ってんだよ。オレらは、お前じゃなくて、そのサスケってのに用があんだよ」
「さっさと起こせ」と言ったザクに、私は少し笑いながら首を横に振る。
直後、何かを言おうとしたザクの動きが止まる。
「あ・・・?」
見上げた先には、長髪の少年がいた。
(あれは・・・ネジ・・・とテンテンか)
一瞬、私と目が合ったがすぐに逸らされた。
「フン、気に入らないな・・・田舎者の“音忍”風情が、そんな二線級をいじめて勝利者気取りか」
「!!」
「そこに倒れているオカッパくんは、オレたちのチームなんだが・・・好き勝手やってくれたな・・・!」
ネジが白眼で音忍を睨みつける。
(迫力あるなあ・・・)
そしてネジが何かに気がついたように目を閉じた。
直後―――。
「サクラ・・・誰だ・・・お前をそんなにした奴は・・・」
「サ、スケくん・・・?」
「サスケ・・・起きたの・・・」
サスケが目を覚ました。
(さて―――どうする・・・私)
サスケは私を見たあと、私の手の甲を見て言った。
「クロ・・・お前は・・・」
「・・・・・・」
「いや・・・それより先に・・・」
サスケはザクとドスを睨みつけた。
「オレはようやく理解した・・・オレは復讐者。たとえ悪魔に身を委ねようとも、力を手に入れなきゃならない道にいる・・・」
サスケの体が呪印で覆われる。
「さて・・・お前だったよな」
サスケは殺気を全身に纏っていた。
私は何も言えず、そんなサスケを見ていた。
(あれ・・・?)
治まったはずの呪印の痛みが、少しずつ、ドクン、ドクンと一定のリズムで痛み始める。
(こんなときに・・・なんでよ・・・?)