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うちはに転生しました。

第21章 中忍試験










「さあ、始めようじゃない・・・巻物の奪い合いを―――・・・命懸けで」


草忍は“地”と書かれた巻物を飲み込んで言った。

私たちと目が合う。


(ちょっと、それ飲み込むなら私に頂戴よ!っていうか、不気味すぎるわ・・・)


この時の私には“怖い”という感情は無かった。

怖いというなら、私にトラウマを植え付けた、あの人質事件の男の方だ。


「オエッ・・・カハッ・・・!」


その声にふと横を見る。

すると、サスケは嘔吐し、サクラは泣きながら座り込んでいた。


「っえ?さ、サスケ!?サクラちゃん!?どうし―――」


そこでふと気づく。

そして私の考えていることを代弁するようにスイレンが言った。


『アイツの殺気にやられちゃってるんだろうね。キミ、大丈夫なの?』

「私?私は別に・・・」


そう言うと、草忍と目が合う。


「アナタ・・・どこかで会ったことあるかしら?」

「・・・さあ?」


お互い目を逸らさない。

すると、サスケの声がした。


「サクラ・・・おい、サクラ・・・!」


我に返ったようだ。

サスケは逃げるために身体を動かそうとするが、動かない。


「仕方ないなあ・・・」


私はそう呟くと、サスケとサクラに向き直る。

サスケは驚いたように私を見上げていた。


「サスケ、サクラ」


二人の名前を呼ぶ。

サクラは、呼び捨てにするとゆっくりと私の目を見た。


「ちょーっと痛いけど、許して、ね!」


そう言い、少しだけ笑う。


「は―――!?」


サスケが何か言う前に―――私は、二人に軽く蹴りを入れ、後方に飛ばした。


「・・・面白い子もいるのね」


草忍が驚いたように言う。


「クロッ・・・お前―――!」

「もう動ける?」

「は・・・?」

「怖くて、動けなかったんでしょ?」


サスケはそれには答えなかった。


「獲物は常に気を張って逃げ惑うものよ―――捕食者の前ではね」


草忍がニヤリと笑って言う。

私はそれにポツリと呟いた。


「獲物って言うな、このオカマ」


その瞬間、心なしか草忍の表情が引きつった・・・かもしれない。

と、その時―――元気のいい、“本物”の声が聞こえた。


「悪いなサスケ!合い言葉は―――忘れちまったぜ!」








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