第2章 子供時代と一つの事件。
「ッ医療班!!」
ヒルゼンがそう叫んだ。
「ハル・・・!サスケ・・・!」
こちらを向いた妹の真っ白なワンピースが赤に染まっている。
赤の中心にはクナイが刺さっている。
ハルが何かを言った。
「イタチ兄さ・・・サ・・スケ兄さ・・・には・・・」
言わないで。
そう言ったのが分かった。
「そんなことより、お前・・・・!!」
赤は白をどんどん浸食していく。
ハルの顔が歪む。
「ちっ・・・クソ野郎が・・・」
ハルは、誰にも聞こえないようにそうつぶやいた。
振り返った妹の瞳は赤かったような気がした。