第21章 中忍試験
そして、とうとう三人とカカシの姿が見えるところまで来た。
最初に私に気がついたのは、サスケだった。
「お前・・・」
何か言いたそうに口を開いたが、それを遮るようにナルトが私を指さして大きい声で言った。
「あー!お前ってば、どこ行ってたんだってばよ!?」
「ナルト、うるさい!静かにしなさいよ」
ナルトを睨みつつも、サクラも私を見て驚いたような表情だ。
「・・・何でみんなそんなにビックリしてるの?」
思わずそう言葉が出ていた。
“?”が頭に浮かんでいる私だったが、すぐにその疑問は解消された。
「か、カカシ先生!もしかして、私たちと一緒に行ってもらうあと一人って・・・」
「そ!サクラが思ってる通り、この子、クロもお前たちと一緒に行くよ」
「なっ、なんで!?クロは忍者なの?」
「さあ・・・これは三代目からの命令だから、オレにもよく分からないんだよね」
「おい、カカシ・・・笑ってる場合じゃないだろ、それ・・・」
「えっ、クロってばどこの里の忍者なんだってばよ?」
「ナルト・・・アンタ、今のカカシ先生と私の話、聞いてた?」
サクラがため息をつきながら、ナルトを見る。
正直、今のナルトの質問にどう答えたらいいか分からなかったので助かった。
(なるほど。私がいることにビックリしてたのか)
「よろしくね、みんな」
「おう!ていうかさ、クロってば戦えるのか?」
「え?あー・・・スイレンがね」
『えっ、僕?』
あはは・・・と笑って誤魔化すと、ナルトは「そうか!」と言ってニカッと笑った。
「じゃあ、四人とも。行ってらっしゃい!」