第20章 火影に呼ばれて
「ふむ・・・それもそうじゃの。分かった。お前が参加できるところはこちらで何とかする」
「いや、あの・・・参加じゃなくて、できるなら見ているだけが・・・」
「それだけではおもしろくないじゃろう?」
「・・・・・・」
「とにかく、そういうことで。詳しいことはまた今度ね」
そう言ったカカシの後ろで、紅とアスマが私を興味深そうに見ているのが分かった。
その視線にいたたまれなくなって、右斜め上を向く。
(私って、見られるのが嫌いなのかな・・・って子供か)
内心、自分の新たな事実に何とも言えないような気分になった。
「じゃあ・・・クロ。付き合わせて悪かったな。もう用は済んだから、帰って構わないぞ」
「はあ・・・分かりました」
「お前たちも。もう良いぞ」
「は」
紅、アスマ、カカシとともに外に出る。
最後に振り返って三代目に会釈をすると、三代目は目尻を下げて返してくれた。
外に出ると、そこには人型のスイレンがいた。
「―――スイレン?」
『あー!やっと来た!』
「遅い!」と言いながら、小走りで私の元に来るスイレンの右手には紙袋を持っていて、左手にはみたらし団子が握られている。
「スイレン・・・アンタ、もしかしてその紙袋の中身って」
『あ、コレ?キミも食べる?』
そう言いながらゴソゴソと紙袋に手を入れ、私に何かを差し出してきた。
「・・・たい焼き?」
『そう!一緒に食べようと思って、二つ買ったの』
戸惑いながらもお礼を言い、受け取る。
すると、カカシの「んー・・・?」という声が聞こえた。
「あれ、キミ・・・」
『あ?あ、どっかで見たことある・・・気が、する・・・』
スイレンを指さしたカカシに、同じようにカカシを指さし返したスイレン。
『まあいいや。それじゃ、帰ろうか』
「えっ?」
私ではなく、カカシが驚いたような声をあげた。
多分、聞きたいこととかいろいろあったんだろう。
そんなカカシを気にする風でもなく、スイレンは私の手を握って歩き出した。
「あ・・・ちょっ、スイレン・・・失礼します」
後ろの三人に頭を下げる。
それにニッコリと笑って手を振って返してくれた紅を見て、美人だなあと思わず言ってしまったのは、言うまでもない。