第2章 子供時代と一つの事件。
「・・・サ、スケ・・・?」
何故ここに、という言葉は掠れて声にならなかった。
ハルも見開き、サスケを見ている。
サスケはクナイを突き付けられている妹の姿を見ると、目を見開き、それから男を睨みつけた。
「・・・お前・・・!!ハルを返せ・・・!」
「サスケ!」
(まずい・・・!)
そう思ったのはもう遅く、サスケは男にとびかかっていた。
だが、小さな子供に何が出来ようか。
サスケは男にいとも簡単に蹴り飛ばされ、そのまま地面に横たわった。
「サスケッ!!」
「・・・サスケ兄さん!」
「このクソガキ・・・!」
「うっ」
ハルはサスケの方に投げられ、体を床に打ち付けられる。
サスケは打ち所が悪かったらしく目を閉じたままだ。
「まずはお前からだ・・・!」
男がサスケに向かってクナイを勢いよく振りかざす。
「行け!!」
ヒルゼンが暗部部隊に合図を出したが、間に合うかどうか。
「ッサスケ!」
グサ、と鈍い音がし、あたりに赤い液体が飛び散った。