第20章 火影に呼ばれて
「それ、冗談・・・」
「ではない」
「え、でも・・・私・・・」
確かに、中忍試験の頃であることは分かっていた。
そして、それに何らかの形で加わりたいとは思っていたが・・・。
加わると言っても、傍観者でいい。
「私、木ノ葉の人間じゃないですし・・・額当てだってつけてないです」
「それは気にしなくて良い。そうじゃの・・・第七班でええか」
「なにが?」
「決まっておるわ。お前の入る班じゃ」
「あ!?」
思わず大きな声をあげてしまった。
だが、三代目は何食わぬ顔をして、歩き出した。
「今から暇か?」
「ちょっ・・・え?まあ、はい」
「ならばついて来い。今から行くところがある」
そう言った三代目は固まったままの私に早く来るようにと催促した。
「―――三代目様、どこへ?」
混乱した頭のまま、前を歩く三代目に聞くも「まあいずれ分かる」と答えられ、結局行先は分からずじまいだった。
三代目は私に横を歩くように言った。
私がその通りに動くと、三代目は前を向いたまま話し出した。
「それよりも・・・話を戻すようじゃが、波の国でお前が暴れだしたのは、ガトーという奴に何かを壊されたから・・・とカカシから聞いておる」
「暴れだしたって・・・」
チラリと三代目が私を見る。
その目は「事情を話せ」と言っている。
「髪飾りを・・・壊されたんです」
「髪飾り?」
「はい―――・・・兄からの、誕生日プレゼントだったんです」
そう言うと三代目は何かを思ったようで、「そうか」と一言返しただけで他に何も言わなかった。
「私・・・許せなくて・・・私の、宝物だったから―――・・・でも、大丈夫です。兄が代わりにと買ってきてくれたんです」
イタチは優しいから、「髪飾りが壊れてしまった」と言った時も「そうか。なら、違うの買わないとな」と笑いながら、私の頭を撫でながら言った。
私は、申し訳なさでいっぱいだった。
「ピアスです。この世界では小さくてもピアスしてもオッケーってところが驚きですよね―――あ、何でもないです」
しんみりした空気を振り払うように、右耳に髪を掛ける。
すると、それを見た三代目はこう言った。
「痛くないのか?」
「・・・まあ、耳たぶ氷で冷やしたんで」