第20章 火影に呼ばれて
あれから一ヶ月後。
私は木ノ葉の里にいた―――・・・のだが。
「・・・なんですか?」
「なに、そんなに警戒せずともよい」
「いや・・・私が言いたいのはそういうことじゃ・・・」
「なんじゃ。待ち伏せしたことか?」
そう―――いつも通り、里の結界を抜けたと思いきや。
そこには三代目火影がいた。
まるで、待ち伏せをしていたかのように。
スイレンは今ここにはいない。
「団子食べたい」とスイレンが言ったので、お金を渡すと嬉しげにどこかへ行ってしまった。
だから、今は私と三代目の二人きりだ。
「そんなことよりも、ハル」
「今はクロです」
「ハハ・・・厳しいのう。まあ良い。聞いたぞ?波の国で、追い忍を逃がしたとか」
三代目が横目で私を見たのが分かった。
「カカシさんからですか・・・」
「うむ。それと・・・カカシがお前のことについて聞いてきたぞ」
「・・・そうですか」
苦笑いすると、三代目も同じ笑い方で返した。
「それで、私は追い忍を逃がしたことで何か罰を与えられるんでしょうか?」
「いや、そういうわけではない。その追い忍は根まで腐っていたわけではないのじゃろう?」
「これもカカシから聞いた」と後から付け足した三代目の目元は相変わらず笑っていて、考えていることがよく分からない。
すると、三代目が不意に私を正面から見据えた。
「やっぱり・・・」
「?」
「イタチによく似ているな。その年で自分の処分のことなど考える奴はなかなかおらんぞ」
「はあ・・・」
「褒めておるぞ?」と三代目が笑いながら言う。
「お前は、顔は母親似じゃな。将来はミコトに似て美人じゃな。頭はフガクじゃがの」
「あ、ありがとうございます・・・あの、それで、今日はどんなご用で・・・?」
正直、両親に似ていると言われたことはとても嬉しかった。
だが、三代目はそんなこと言うためにここに来たわけじゃないだろう。
すると、三代目は思い出したように「そうじゃった」と言いニヤリと口角を上げた。
(変なことじゃないといいけど・・・)
「今度、木ノ葉で中忍選抜試験を行う予定じゃ」
「はあ」
「どうじゃ。お前も参加してみんか?」
「・・・・・・・・・・は?」
思わずすっとんきょうな声をあげたが、仕方がない。