第19章 それぞれの帰宅
「おい、サスケ。ひょっとして、心当たりあるのか?」
「ああ・・・まあな」
「え?サスケくん、あの人たちのこと知ってるの?」
「その白い髪の女というのは知ってる・・・多分。そして、オレの知ってるカカシの言った“女の子”っつーのも」
サスケは少し悩んでいるようだった。
自分の言っていることに自信がないようだった。
「で、誰?」
「もしかしたら、違うかもしれないけど・・・多分、その“女の子”は・・・」
「女の子は?」
「―――・・・クロだ」
その言葉に、少し遅れてナルトが反応した。
「ちょっと待て!でも、アイツ、髪の毛黒かったんだぞ?」
「そのくらい変化の術を使えばなんとでもなる。それに、ソイツがクロだとして、オレはアイツのその姿を見たことがある。実際、初めて会った時はその姿だったしな」
「じゃ、じゃあ・・・クロはそんなに強いの?」
「・・・分からない。だから何とも言えない。クロかもしれないし、そうじゃないかもしれない・・・」
すると、カカシが言った。
「じゃあ、仮にあの子をクロだとして・・・あの白い髪と灰色の髪の女は?サスケの知り合い?」
「知り合いじゃねえっつってんだろ・・・まあ、その白い髪の女は・・・ほら、いつもクロと一緒にいる白いのいるだろ。アレだ」
「え?動物が人間になれるの?」
「知らねえ・・・で、その灰色の方はオレは知らない。少なくとも、白いのはクロにベッタリだからな。もはや過保護の域だ」
ここまでだというように首を軽く左右に振ったサスケ。
その様子を見たカカシは「そう・・・」と少し残念そうに言ったものの、話を切り替えるように言った。
「まあ、それは置いといて・・・とにかく再不斬と面の行方は分からず仕舞いだな」
すると、ドアが音を立てて開いた。
「あれ、タズナさん・・・」
「再不斬は行方知れず、か・・・」
目線を下にして呟くように言ったタズナに、今の会話が聞こえていたことが分かった。
そして、その後ろにはイナリがいた。
「イナリ!」
「ナルト兄ちゃん、大丈夫だった?」
「ああ!全然平気だってばよ!」