第19章 それぞれの帰宅
「―――・・・で?結局、面の野郎と再不斬はどうなったんだ?」
それぞれの手当てを終えて、サスケが横にいるカカシに尋ねた。
とはいえ、カカシとサスケはナルトとサクラより重症なので、布団に入ったままだ。
「んー・・・さっきナルトにも言ったけど、オレにもよく分かんないんだよね」
「・・・見てたんだろ?」
「ああ。そりゃもうバッチリとね。でも・・・あの女の子が誰なのか・・・」
「・・・女の子?」
サスケが怪訝な顔をする。
それにカカシが頷いて返すと、カカシは話を続けた。
「わりと髪の長い女の子だったよ。黒髪でね。お前らと同い年か、それより下か・・・ま、そんくらいの子だった」
「で?ソイツが何だ?」
「その子が・・・多分、あの面の子に化けてたんだよ。面の子に傷を負わせたとき・・・あれは確かに致命傷だったはず。オレは再不斬を殺すつもりだったからね」
「・・・」
「多分、その時にはもう入れ替わっていたんだろう。変化が解けたとき、あの女の子は生きていた・・・。で、そのあと、何らかの理由でその子が怒ったみたいでさ――あっという間にガトーたちを追いつめたよ」
「は・・・?ちょっと待てよ、カカシ。それなら、ソイツがガトーたちをやったっていうのか?」
「ああ・・・そうだ。おそらく、あの子は強い」
「じゃあ、再不斬と面は?アイツらは・・・」
「アイツらは・・・連れ去られたよ。その女の子と一緒にね・・・白い髪と灰色の髪の女が・・・」
カカシのその言葉を聞いた瞬間、サスケは思い切り眉を寄せた。
「・・・おい、カカシ。今、白い髪の女って言ったか?」
「ああ」
「どんなヤツだった?」
サスケの質問に「どんなヤツって・・・」とカカシが考えていると、今まで黙っていたナルトが代わりに答えた。
「なんか・・・美人だったってばよ。髪、真っ白でさ。ソイツらが再不斬と女の子連れてったってばよ」
「・・・どうしたの、サスケくん。何か、気になることでも・・・?」
サクラの言葉には反応せず、サスケは少しの間黙り込み、そして急に大きくため息をついた。
「おい、サスケ?」
「あー・・・マジかよ・・・」
クシャリと髪を掻き揚げると、サスケは思わずといったように少し笑った。
その笑い声は「まさか」というようなものだった。