第18章 イナリの叫び
クナイというのは便利だ。
手裏剣術を磨くのも悪くない。
全て急所に当て、動きを封じる。
(修行していた甲斐があった・・・てことか・・・?)
「―――水遁・爆水衝波(ばくすいしょうは)!」
これはスイレンが見せてくれたもので、写輪眼でコピーして使えるようになった術だ。
豪火球を使おうと思ったが、橋が台無しになるのでやめた。
それを考えられるほどの理性はまだ残っていた。
そして、さっきの術である程度人数を橋の向こうへと追いやるとガトーの方を向いた。
「このっ・・・ガキ!!」
ガトーの目には恐怖が浮かんでいた。
「おい!!誰か助けろ!!」
そう叫んでも、ガトーの手下たちは橋の向こうにいる。
それを見るが同情も何も出来るわけもなく、そのままガトーの服を掴む。
「おい・・・何をする気だ?は、はなせ!!」
そのまま力を入れて勢いよく放り投げる。
「ぐっ・・・」
ガトーは顔面から着地。
投げた方向には、ガトーとカカシ。
顔をあげたガトーの表情には困惑と、恐怖が混じっていた。
「再不斬」
「・・・なんだ?」
「ガトーは任せる・・・」
クナイを再不斬の足元に投げる。
そう言っている間にガトーはその場から走りだしていた。
―――だが、私の横を通り過ぎたところで再不斬がガトーの目の前に現れる。
そして、驚く間もなく、ガトーの首は再不斬によってはねられた。