第18章 イナリの叫び
「えっ・・・?」
「行かせませんよ!」
ナルトが白に近付く前に、私は白の目の前に現れ、白の両手を掴んだ。
「クロ!?」
「―――どうして、君が・・・!?」
驚いたように言うナルトと白。
(私は分身だけどね・・・本体は向こうなんだけど)
すると、白は再不斬の危険を察知したのか再不斬の元へ行こうとする。
だが、印を結ぼうにも私が両手を掴んでいるので動くことができない。
「っ!―――は、離してください!再不斬さんが・・・!!」
「無理です。あと、再不斬なら大丈夫―――」
「何でそんなこと分かるんですか!?っ再不斬さん!!」
感情むき出しに私に食って掛かる白。
意外にすごく暴れる白に、どうしたらいいか考える。
ここで手を離せば、間違いなく再不斬の元へ行くだろう。
そうなってしまえば、白に化けた本体の私がバレてしまう。
「仕方ないですね・・・少し、眠っててください」
「っ!?」
写輪眼で白の意識を奪う。
白の体から力が抜けて、倒れこむ。
「クロ・・・お前、今、ソイツに何したんだ・・・?」
「えっ・・・?いや、別に・・・」
ナルトが困惑したように私に問う。
どうしようかと焦っていると―――
『なあ、この子ウチが預かっとくよ?』
聞きなれた関西弁がその場に響いた。
「・・・誰」
声のした方を見るが、灰色の髪の女の人がいるだけだ。
『主様はまだ出んらしいわ。まあ、あのデカい男とアンタを回収せんといけんのんやから、仕方ないけど』
この聞き覚えのある声の持ち主は私の中で心当たりがあるのは、一人・・・一羽くらいだ。
「・・・もしかして、ネネ?」
『・・・何を今更なことを言うてんの。ウチのこと分かってなかったんか?』
「え・・・いや、その・・・」
苦笑いしていると、ネネ?は『まあいいや』と言って、白を抱き上げ、その場から姿を消してしまった。