第18章 イナリの叫び
「ちょっと・・・ええ?」
まさかの私が一緒にいるという予想外の事態。
・・・私が一番びっくりしたよ。
気付けば、いつのまにかサスケは白の血継限界の氷の鏡に囲まれていた。
そうしている間に再不斬がナルトに向けてクナイを投げる。
だが、それは「あっ」と声を出す前に、白の千本によって阻止されていた。
「・・・白、テメェどういうつもりだ・・・?」
再不斬の低い声が辺りに響く。
それに対して、白は比較的大きな声で返した。
「この子はボクに―――この戦いはボクの流儀でやらせて下さい!」
白の表情は面が邪魔していて見えない。
だが、白は再不斬の方をまっすぐ見ていた。
再不斬は少しの間黙っていたが、やがて「手ェ出すなってことか」と薄笑いで言った。
「・・・ったく、相変わらず甘いヤローだ」
そう言った再不斬はカカシに向き直る。
白もそれを見ると、サスケに集中し始めたようだった。
(あ・・・ナルトが入っていく・・・)
ナルトが氷の鏡の中に入っていく。
(もうそろそろ・・・)
あとは、ナルトの九尾のチャクラが漏れ出た後に、あそこに割り込んでいけばいい。
サスケには痛い思いをさせてしまうけれど、写輪眼の開眼と引き換えという風に考えれば、ギブ&テイク方式だ。
(・・・でも、ごめん!!すっごい痛そう・・・!!)
白が鏡の中から静かに言った。
「ボクはボクの夢の為に。君達は君達の夢の為に。・・・恨まないでください」
白の声はその場にいた全員の耳に届いた。
「ボクは大切な人を護りたい・・・その人の為に働き、その人の為に戦い、その人の夢を叶えたい・・・―――それがボクの夢」
「その為ならボクは忍になりきる。―――あなた達を殺します」