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うちはに転生しました。

第17章 波の国の悲しさ。











はたけカカシはある少女を探していた。



そう、探していた。

なぜ過去形かと言えば、その少女は目の前にいるからだ。

そして、見つかったのは良かったものの、ものすごく疲れているように見える。

声を掛けたカカシには脇目も振らず、そのまま布団の敷かれている部屋に消えてしまった。

と思っていると、後から少女のあとを追うように開けっ放しだった玄関のドアから入ってきたのは、少女に寄り添うようにいる割と大きな白いオオカミだった。

カカシは忍犬と口寄せの契約をしているので、犬ではないことは分かる。

そのオオカミも少女と同じくカカシを見向きもせず、迷いなく少女の入った部屋へと足早に駆けて行った。


「ちょっと・・・ええ?」


カカシも気になってその部屋へと足を進める。

すると、目に入ったのは―――すでに寝ている少女。

この短時間で・・・?と思わず呟いてしまったが、もはや熟睡のレベルだった。


「それ、一応オレが寝てる布団なんだけど・・・」


これ見たらサスケとかが怒りそうな気がするなあ、とぼんやり思いながら、思わず苦笑いをこぼしてしまった。













少女に薄い掛布団をかけてから、カカシはその場に座った。

こうして見ると、寝顔は年相応に幼く見える。


「やっぱりまだ子供なんだよねー・・・」


初めて会った時の第一印象は「あのサスケを呼び捨てにして、ナルトをくん付けしてる女の子」だった。

まるでサクラと正反対だと思った。

そして、三代目火影におしぼりを投げた子。

三代目も驚いたような表情をしていたが、思い出したように謝った。

おそらく、この少女は木ノ葉の人間ではない。

それでも、三代目の少女を見る目が優しかったので、何か事情があるのだろうと悟った。


だけど、それとこれとじゃ話は別だ。


波の国に遊びに来る子供なんておらず、ここに来たのは何らかの目的があるはず。

それにこの前だって、遅い時間に帰ってきた。


(何を考えているのか・・・)


「“クロ”ねぇ・・・」


脳裡に浮かぶのは、何年前だったか、自分の腰よりも小さい少女の姿。

控えめな笑顔と両親から受け継いだ綺麗な黒く長い髪。

クロと、もう会うことのできない少女を重ねてしまうのは、どうしてだろう。


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