• テキストサイズ

うちはに転生しました。

第17章 波の国の悲しさ。










約一分後、一つの足音が近づいてきた。

そして、ネネを肩に乗せたままじっと待つ。


すると、

「あ・・・」

という声が私の耳に入った。


振り向けば、そこにいたのは待っていた人物で、目が合い、笑って会釈すると、向こうも同じように返してくれた。


「―――・・・そのフクロウ、」

「え?」

「可愛いですね。キミのですか?」


(・・・これは予想外・・・)


「はい。・・・まさか、あなたの方から話しかけてくれるなんて思ってませんでした」

「え?」

「初めまして。今日はあなたに会いに来たんです・・・―――白さん」


そう言うと、彼は、後ろに飛び退き私から少し距離をとった。

その目は警戒の意を表している。


「・・・キミ、何故ボクの名前を?」

「その質問には答えられませんが・・・一つ言えるのは、私はあなたの敵ではないということですね」

「・・・そんなこと信じられるとでも?」

「・・・まあ、そうなりますよね」


やはり簡単にはいかないか。

いや、分かっていたけれども。


「じゃあ・・・少しでもいいんで私の話を聞いてもらえますか?決してあなたには損にならないと思いますけど」

「・・・何故そう言えるんですか?」

「さっきも言いましたが、私はあなたの敵じゃないです。むしろ、白さんを助けたい」

「・・・信じられませんね」

「はい。最初から信じてもらえるとは思っていません」


笑ってそう言うと、白の表情がさらに険しくなった。

その間に、いつのまにかネコの姿になっていたスイレンが白の方へと行く。


(・・・スイレン?)


「スイレン、何してんの?」

「このネコもキミの・・・?」

「ええ、まあ、はい。まあいいや。じゃあ話、続けますね」


スイレンの謎の行動に首をかしげつつも、話を再開する。

白は、スイレンが自分に近づいてきて、さらには足に体を擦り付けているという状態に、拍子抜けしたようで、しゃがんでスイレンの頭を撫で始めた。




/ 755ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp