第16章 三代目火影とクロ。
『ハル、びっくりしたね。僕もまさか会うとは思わなかったよ』
「そんなこと言って、スイレン。アンタ、団子ばっかで全然だったじゃん」
あと僕の背中乗っていいよ、と言うスイレンの言葉に甘えて背中に乗りながら言うと、スイレンは小さく笑った。
仕方ないなあ、と私も笑いながら返す。
「ねえ、父さんと母さんのお墓行きたいんだけど・・・」
『あ、言ってたね。じゃあ行こうか?』
「あ、待って。お花買っていく」
スイレンは『分かった』と一言言うと、鼻がいいのか花屋にあっという間についてしまった。
「・・・すごいね」
思わず感心して声を洩らすと、スイレンは『フフン』と満足そうに笑った。
花を買って外に出て、お墓へと向かう。
「あれ・・・思ったより、綺麗だな」
お墓は思ったよりも汚れておらず、誰かが掃除してくれてるのかなと勝手に思う。
「・・・ただいま。父さん、母さん」
「私ね、十歳になったの。兄さんたちも元気でやってる。だから、安心してね」
「――――私、兄さんたちのこと守れるように強くなるね」
母さんと父さんが守りたかった分まで、守れるように。
手を合わせ目を閉じると、ふと後ろに誰かの気配を感じた。
だけど、すぐに誰か分かった。
「まだ、何かあるんですか?・・・――――三代目様」
「何じゃ、まだ怒っておるのか?名前を呼びそうになったこと」
三代目は悪びれずに私の横に並ぶと、深い溜息をついた。
「・・・お前がまさか、ナルトまでと顔見知りだとは思っていなかったぞ」
「ああ・・・いろいろあって・・・」
しばらく沈黙が続いた。
「のう、ハルよ」
「・・・その名前、人前で口が裂けても言わないでください」
「分かっておる。じゃが、今ぐらい良かろう?」
「・・・はい」
すると三代目は唐突に話を切り出した。
「―――――ハル。お前、木ノ葉に来んか?」
「・・・えっ?」