第16章 三代目火影とクロ。
「でも、本当になんて言ったらいいのか分からなくて・・・」
スイレンの方をチラリ見るも団子に夢中になっていて、私の視線には気付いたものの話の内容が分からないように首をかしげた。
そんなスイレンの頭を撫で、テーブルの方へと向き直る。
「・・・まあ、家族みたいな?」
そう言うとサスケはバッと顔を上げて私を見て、カカシは少しだけ目を見開き、ナルトは意味が分からないような顔をして、サクラは「えっ」と声をあげた。
(ちょっと調子に乗りすぎたかな・・・)
「あー、たとえのようなものなので気にしなくていいです」
そう言うとようやく、カカシの見開いた目は閉じ、ナルトは団子を頬張り、サクラも「なんだあ・・・」と気の抜けた声を出した。
その中でサスケだけが、私をずっと見ていた。
「・・・何よ、サスケってばそんなに怒らなくたっていいじゃん。たとえだし」
「別に、そんなんじゃねえし・・・」
サスケはそれから私と目も合わせてくれなかった。
地味にショックを受けていると、後ろから聞き覚えのある声が掛かった。
「ん?お前たちもここへ来ていたのか」
「あー!!じーちゃん!」
「三代目・・・」
その人は私の姿を見ると、目を見開き、「ハ―――」と声を出した。
その一言で何を言おうとしていたのか分かってしまった私は、
「んぐっ!?」
「ぎゃああああ!!ごめんなさい!!」
「クロ!?お前って奴は本当に・・・!」
「ぎゃははははは!じーちゃん・・・アハハハハ・・・!」
「三代目・・・!」
思わず手に持っていたおしぼりを投げてしまった。
―――三代目火影ともあろう人に。
それも、
「この子・・・三代目様の顔面に・・・!?」
顔面に向かって。