第16章 三代目火影とクロ。
『んー!コレおいしい!』
「そう。良かったね、スイレン」
スイレンは満足げにもぐもぐと団子を食べている。
口調から上機嫌なのがうかがえてなんとも微笑ましい。
結局、あのあと来たのは近くの団子屋さんだった。
「いや、ちょっとこれから行くところあるんで」と言いかけたものの、二人の視線をびしばしと痛いほど受け、どうしようか悩んでいたところで、
「いや、知らない人について行っちゃダメだから・・・」
とふざけたことをぬかしてみたものの、サスケに「オレのこと知ってるだろ」と言われ返す言葉もなくなったという訳だ。
スイレンもスイレンで、やはり甘いものに目が無いようで団子屋に行くとしきりに『団子食べたい』と目が訴えかけてきた。
「お金が無いから」と言うと、カカシが奢るというので、ならお言葉に甘えて・・・というのが今の状況だ。
「で、あなたたち・・・知り合い・・・なのよね?」
お茶をズズッと啜ったサクラが話を切り出す。
すると、ナルトは「“知り合い”じゃねえってばよ」と変なことを言い始めた。
その場にいた全員が訝しげな目をナルトに向けるが、ナルトは気にせずそのまま続けた。
「オレとクロは“友達”なんだ!」
「な!」といたずらっ子のような笑顔で私を見るナルトに意味が分からなくて一瞬黙ってしまったが、言葉の意味を理解すると、嬉しくて大きく頷いた。
「ああ、そういえば。サスケとキミ、知り合いなの?」
カカシが聞いてくるが、正直どう答えたらいいのか分からない。
私たちは友達?
いや、それは何か違う気がする。
知り合いっていうほど薄っぺらい繋がりじゃないし。
「うーん」とうなっていると、それはサスケも同じようでなんて言うべきか悩んでいた。
「あ、あれですね。私たち、いわゆる“カレカノ”なんですよ」
「は!?」
「というのは冗談で、」
「冗談かよ!」
少し沈黙を紛らわすために言ったのだが、良かったのか悪かったのかサクラのツッコミを受けてしまった。
カカシは相変わずその様子を笑いながら見ているだけだった。