第15章 “自己修復”というもの。
数時間後。
「帰ったぞ、うん!」
「珍しいな。居間に角都が・・・それ以外誰もいねえのか?」
「おや、本当ですね。明日は雨が降るかもしれない」
「・・・・・」
デイダラが元気な声で帰ったことを伝えると、居間にいたのは何かの書物を読んでいる角都で、そのことに気が付いたサソリが驚いたように言った。
鬼鮫はいつもの口調で言ったが、イタチは黙ったままだった。
「なあ、角都。お前一人なのか?」
「・・・いや、飛段とハルがいる。お前たちは一緒に帰って来たのか?」
「いやいや、さっきそこでちょうど会ったんだ。偶然ってやつだよ、うん」
「そうか」
「なァ、アイツらどこ行ったんだ?もしかしてもう部屋に戻ったとか?」
デイダラが角都に不思議そうに聞く。
それに対して角都はデイダラの問いに、チラリと前のソファに目線を向けただけだった。
「・・・あ?」
意味が分からないという風にデイダラが首をかしげていると、その様子を見ていたサソリがソファを覗いた。
「あ、」と声を上げたサソリに続いて鬼鮫、イタチ、デイダラの順に覗く。
「なるほど、こういうことでしたか。しかし、いつの間にこんなに仲良くなったのでしょうねえ」
鬼鮫がつい、そんなことを言ってしまっても無理はなかった。
むしろその場にいた角都を除く全員の言葉を代弁していた。
「しかし、よくこんなところで寝れるな」
感心したように言うデイダラ目線の先には、すやすやと眠るハルの姿。
と、飛段。
二人はソファで寝ていた。
「・・・ハルが寝てしまってな。移動させようとしたところでソイツから離れなくなってしまった。多分飛段をイタチと間違えたんだろう」
と、書物に目を落としたまま状況を説明する角都の隣にはハルといつも一緒にいるオオカミがいた。
どうやら角都の見ている書物を覗きこんでいるようだった。
その不思議な光景に思わずデイダラがプッと口元を押さえるとそれと同時にハルが目を覚ました。