第15章 “自己修復”というもの。
「あっ」とデイダラが小さく声を洩らし、サソリの腕を叩いた。
「今の旦那の声が大きかったから起きたんだ、うん」
「は・・・!?オレのせいか!?」
「うるさいです」
しかし、ハルは目をあけたまま小さくまばたきを繰り返している。
そしてデイダラたちがいることに気がついたのか顔だけそちらを向いた。
ハルと目が合ったデイダラとサソリは「あっ、ほら旦那が大きい声出すから」「だからお前の方が・・・!」と、まさか目が合うとは思っていなかったようで慌てている。
すると、唐突にイタチがハルの真正面に顔を覗き込むようにするとハルはぼんやりとした様子で言った。
「・・・イタチ兄さん・・・帰って・・・た、の」
そして、「の」のところで頭が冴えたようでバッと体を起こした。
「イタチ兄さん、帰ってたなら起こしてよ・・・!」
寝顔を見られたことにか、カァッと顔を赤くさせ恥ずかしそうに言うハル。
それに対して少しも反省してないような様子で「ごめん」と謝ったイタチだが、その表情は笑っていた。
と、その下でうめき声が聞こえた。
「んだよ・・・あ、お前ら帰ってきてたのか」
飛段だった。
そこで、ハルが飛段を見る。
「・・・えっ」
どうやら飛段と寝ていたことに今更気が付いたようで、さらに顔を赤くした。
「いっ、あっ、ごめんなさい!」
わたわたとソファから下りようとするが、おもしろがった飛段はそれを許さず、ハルを持ち上げ自分の膝に乗せた。
「ハハッ、顔真っ赤だな」
デイダラが声をあげて笑う。
しばらくその状態だったが、イタチがハルを抱き上げたことでその場は終了した。
『自己修復というもの』
“その血と引き換えに”