第2章 子供時代と一つの事件。
「じゃあ、私と一緒に行きましょうか」
そう言ってにこやかに私に手を差し出す綺麗な女性。
断るに断れなくなったのでついていくことにした。
「・・・いってらっしゃい」
「うん」
「ついでに、ここの案内もしてやってくれ。ここじゃ暇じゃろうからの」
「はい。了解しました」
お姉さんに手を握られ廊下に出る。
「ねえ、名前は?」
「・・・ハル」
「ハルちゃんって言うんだ。可愛い名前だね」
「・・・ありがとう」
「ふふ。あ、トイレはここよ。私は外で待ってるから、終わったら出ておいで」
その言葉に頷き、私はトイレに向かった。
結局、トイレには入ったが何もせず、ずっと突っ立っていた。
トイレの鏡が高くて、自分が小さいことを改めて実感。
「お、おかえり。じゃあ、さっそくだけど、ここらへん見て回ろっか」
「・・・どこにいくの?」
「んー・・・特には決まってないけど」
「・・・そ、そう」