第2章 子供時代と一つの事件。
「・・・今日は急に呼んで悪かったな。・・・ん?そちらのお嬢さんは誰かな?」
その声の持ち主は、三代目火影、猿飛ヒルゼンだった。
イタチを見たあと、私を見て、そう言った。
(・・・やっぱり、この人だよね・・・何、怖い。威圧感半端ない。てかこっち見ないでー!)
「あ、紹介が遅れて申し訳ありません。妹のうちはハルです」
「・・・・こ、こんにちは・・・」
「ほう、礼儀正しい子じゃのう。なんせ、近頃の若者はなっとらんからな。」
(私、若者ってほどの歳じゃないっすよ・・・)
「・・・して、今日ここへ呼んだ訳じゃが・・・」
そこまで言うとヒルゼンは私のほうをチラリと見た。
「・・・まあ、いいか。そんなに大したことでもないからな。まあ、そこに座れ。そこのお嬢さんも一緒に、な」
「・・・は、はあ・・・」
そう言うと、ヒルゼンは目尻を下げて笑った。
「―――――イタチ、暗部の方はどうだ?」
「・・・と、言いますと?」
「お前は最年少で入ったと聞いた。何か心配なことはないか?カカシ班でも上手くやっていけそうか?」
「はい。皆さんも良くして下さってますし・・・」
(・・・・やばい、最高に暇だ)
ヒルゼンの話とやらはどうやら暗部についてらしかった。
イタチとヒルゼンは机を挟んで座り、私はイタチの横に座っていた。
出してもらったオレンジジュースも飲み終え、暇になったので部屋の中をキョロキョロ見ていた。
すると。
「・・・・・ん?どうした、ハル。トイレに行きたいのか?」
落ち着きがないのを勘違いされてしまった。
「え?いや、別にそういう訳じゃ・・・」
「トイレなら出て左手じゃ。と、言っても分からないな。―――おい」
(違うって・・・)
すると、扉が開き女性が来た。
「・・・すまないが、その子をトイレに案内してもらえるかのう」
「はい。了解しました」