第15章 “自己修復”というもの。
スイレンとの話から二日後。
「あ゛-・・・やっと帰ってこれた」
「おい、休むのはまだ早いぞ」
結局、角都と飛段が帰ってきたのは二日後の朝だった。
アジトには私だけで、他のみんなはそれぞれ任務だそうで、昨日の夜からだったり、さっきだったり、出かけて行った。
イタチは最後まで私のことを心配していたようだが、渋々といった様子で、私を抱きしめて出て行った。
ちなみに、デイダラは復活したようでいつもの元気そうな様子に戻っていた。
「あの・・・おかえりなさい」
居間に座り込む飛段と、それをたしなめるように言う角都に声をかけると、二人はまさか私がいると思っていなかったようにこちらを見た。
「あれ。オマエ・・・」
「ハルです。角都・・・さん、お疲れ様です」
飛段が意外そうに私を見るが、それも構わず、角都を見上げる。
あまり話したことのない二人なので軽く怖気づくが、何も言わないのも失礼かと思い、ペコリと頭を下げる。
「いや、それは知ってるけど・・・」
「あの、呼び方失礼じゃなかったですか・・・?」
「・・・ああ、構わない。それより、今はお前一人か?」
角都の答えに安心しつつも、問いの答えとして頷くと、角都は、そうか、と一言言った。
「みなさん、任務だそうで・・・」
緊張して思わず、年に合わない言葉遣いになってしまう。
飛段とは正直、まともに話した記憶がない。
それを知ってか知らずか、角都は「ちょっと部屋に戻る」と言って奥に歩いて行った。
「え・・・?」
「あれ。・・・オレ、置いて行かれた感じ?」
二人、顔を見合わせ、そして私は悟った。
(あ、ヤベ・・・)
二人きりになってしまった、と。