第15章 “自己修復”というもの。
居間に行くと、サソリの言った通り、イタチは帰ってきていた。
あと、鬼鮫も。
「イタチ兄さん、鬼鮫・・・さん、おかえりなさい」
「ああ、ただいま、ハル」
そういえば、鬼鮫のことを何て呼んでたっけ、と思いつつ、ソファに腰掛けているイタチに近づくと、横に座る。
「・・・あれ?角都・・・さんたちは?」
どうやら帰ってきていたのはイタチたちだけで、角都と飛段の姿は見当たらなかった。
小南もいない。
そこでふと気づく。
「・・・ねえ、スイレン見てない?」
キョロキョロと見るが、見つからないので、居間にはいないらしい。
そんな私を見かねてか、イタチは眉を下げて言った。
「アイツらはまだ帰ってきていないみたいだな。あと、悪いが、そのスイレンは見ていないぞ」
イタチの言葉に同感だとでも言うように、鬼鮫も頷いている。
そのことにお礼を言い、スイレンの名前を呼ぶ。
「スイレ―――」
『呼んだ?』
不意に後ろから、いきなり声がした。
「もう、スイレン、びっくりさせないでよね」
『ごめん、ごめん』
いきなり後ろから聞こえた声に、声さえ出なかったものの、ソファから体が浮いたんじゃないかと思うほど飛び上がってしまっていた私は、声の持ち主を一瞬にして悟ると、ソイツに軽くデコピンを食らわした。
『はは・・・。それで、何かあったの?キミから僕を呼ぶなんて珍しい』
「あー・・・そうよ、聞きたいことたくさんあるんだけど」
ふと先程のデイダラの部屋でのことを思い出す。
途中だった、と思うが、そういえば、サソリは私が邪魔だからどっかいけって言ってきたんだった、と思い直す。
「・・・ここじゃなんだから、向こうに行こう」
さすがに人前で話せるような内容じゃないので、外に出よう、とスイレンを促す。
「五分間だけ、外の風にあたってくるね」
イタチにそう告げると、スイレンと真っ暗な外に向かった。