第15章 “自己修復”というもの。
「で、バレなかった?」
『うん。大丈夫』
帰り道。
おそるおそる聞いてみるとバッチリといった風に言うスイレンにホッと一息つく。
「ありがとう」
私がお礼を言うと、スイレンは『いえいえ』と少し笑いを含んだ声で言った。
そしてふと思い出す。
(――と、そういえば・・・)
「ねえ、スイレン。そういえば、ネネたちのところに行かなくていいのかな?」
といってもこの前会ったばかりだが、やはり気になる。
そんな思いも込めて言うと、スイレンはあっけらかんとした調子で言った。
『知らない。でも、そのうち、また来るんじゃないの』
「そうかなあ・・・まあ、そうだよね」
『うん』
ネネのことだし。
偶然にもハモって、それが何だかおかしくてまた笑った。
「ただいま――・・・あ」
「あ?」
暁のアジトに戻ると、居間にはサソリがおり、恐い顔で睨・・・迎えてくれた。
「・・・アンタか」
ボソッと呟くと聞こえていたようで、威勢よく「ああ!?」と返される。
「他のみんなは・・・」
それを完璧にスルーし、居間をぐるりと見回すも、誰もいなかった。
「買い物とか、任務とかだ。ちなみにオレが何故ここにいるかというと、アイツが風邪だからな」
アイツ、というのはデイダラのこと。
(風邪ひいたのか・・・)
何故か少しドヤ顔で言ってくるサソリに、適当に相槌をうちながら、後でデイダラの部屋に行こうと考える。
「・・・イタチ兄さんは?」
「あー・・・アイツなら、何か買い物に行ったぞ」
なるほど。
「じゃあ、私、デイダラの部屋いるから、イタチ兄さん帰ってきたら呼んでください」
「は?嫌だ」
「・・・だから敬語で言ったんだよ」