第14章 バレンタインの出会いと決心。
「・・・おじゃましまーす」
「・・・マジでお前何考えてんだよ・・・」
フラフラなサスケに鍵を開けてもらい、サスケの部屋に入る。
「サスケの寝不足を解消したいなって考えてる」
「はあ・・・?」
ダルそうに背負っていたリュックを下ろすサスケをぐいぐいと押して、ベッドに寝かせる。
「ちょっ、何すん・・・」
「おやすみ、サスケ。私も一緒に寝るからね」
半ば強引にサスケのベッドの中に潜り込む。
「ね、これで温かいでしょ?」
「・・・お前、起きたら覚えとけよ」
「・・・何を・・・?」
最後にそんな意味不明な言葉を残し、サスケは眠りについたようで寝息を立てている。
それにホッと一息つくと、狭いだろうと思いベッドから下りようと、上半身を起こす。
すると、何かに服を掴まれた。
「・・・?」
掴んだのは、まぎれもないサスケ。
そのことにしばらくの間動けなくなっていると、サスケが何かを言った。
何度も、何度も、繰り返し。
「とうさ・・・かあ、さ・・・」
私は目を見開く。
「・・・にいさ・・・ど・・・して・・・」
「は、る・・・」
もしかしたら、怖い夢を見たのかもしれない。
もしかしたら、ただの寝言だったのかもしれない。
だけど、その声とその言葉は、私の心の奥深くにまで沈んでいった。
「・・・ごめん。ごめんね、サスケ兄さん・・・」
独りにさせてごめん。
私はその手握り返すことしかできなかった。