第14章 バレンタインの出会いと決心。
どれくらい経っただろうか。
もうすっかり日も沈み、月も出てきた。
「ん・・・?」
ゴソゴソと上半身を起こしたサスケ。
「あ、起きた?」
「・・・テメェ、何見てんだよ」
サスケの寝顔を見つめていると、うっすらと目が開き、サスケと目が合うと開口一番に言われた。
「うん?サスケの寝顔は可愛いなって思って」
「ざけんな」
昔から変わらない寝顔に笑みを浮かべていると怪訝な顔をされたが、それも構わない。
この前のイタチにしたのと同様に、サスケに抱きつく。
今はテンションが高いのに任せて、じゃない。
「いいじゃーん」
(・・・ホントはずっと、こうしたかった)
それに、ずっとこうしておきたい。
「・・・平和だね」
「・・・は?お前何言ってんだよ・・・てかまだ寝る」
「うん。おやすみ」
そんな会話をして、サスケはまた眠りにつく。
そんなサスケに一つ笑みをこぼすと、私はスイレンを呼んだ。
「スイレン」
『何?』
「ごめんけど、私の影分身と一緒に帰ってくれない?」
これ以上帰らないでいると、多分イタチが心配するだろう。
私が二人いたらいいのに、とか思ったけど、そんなこと無理なので影分身を使おうと思った。
そう思って言うと、スイレンは私の考えを理解したようで少し不満げに頷いた。
『・・・何で僕も?』
「だって、そっちの方がバレにくいかなって」
ついでに明日迎えに来て、と忘れずに告げるとスイレンは二つ返事で了承してくれた。
「じゃあね、私」
「うん。お前も兄さんにばれないようにしなよ」
影分身の自分と会話し、ハイタッチする。
「バイバイ」
そう言うと、スイレンと私の影分身は消えてしまった。
『バレンタインの出会いと決心』
“自分も、大切にしよう”