第14章 バレンタインの出会いと決心。
「ただいまー・・・」
「あら、おかえりなさい、ハル」
あのあとネネと別れて暁のアジトに戻ると、
小南が出迎えてくれた。
そして、私を乗せてくれていたスイレン「ありがと」とお礼を言い、イタチのいる部屋へと向かう。
さっきから、何だか無性にイタチとサスケに会いたくて仕方がない。
居間からイタチの部屋までにそこまで距離はないが、自然と早足から駆け出す。
スイレンに手招きをすると、スイレンも後ろをゆっくりと歩き始めていた。
「ただいま、イタチ兄さんっ」
ドアをやや乱暴に開けると、イタチはちょうど何かの書物を読んでいたようで、驚いたような顔でこちらを見ていた。
「・・・ハル、おかえり。今日は元気だな」
「うん!」
勢いに任せてイタチに飛びつく。
(・・・自分、テンション高・・・)
と、自分自身に少し引きつつもまあいっかと思った。
「ハル、良かったな」
「え?」
「ここのところ、ずっと考えこんでいただろ?」
解決したみたいで良かった、と笑うイタチに今度は私が驚く番だった。
「えっ・・・気づいて・・・」
「当たり前だろ。お前の兄だからな」
本当、イタチには敵わないな。
でも、素直に嬉しい。
何だか胸に温かいものが広がって、じんわりと私の心を満たしてくれたような、そんな気がした日だった。