第14章 バレンタインの出会いと決心。
と、そこに知らない声が掛かった。
『そこまでにしてもらえんかな』
「っ」
(―――誰!?)
慌てて飛び起きる。
が、慌てたのが悪かったのか、よろめいて尻餅をついてしまった。
「・・・」
『ハル、まだ動いちゃダメだって言ったじゃん』
言い訳も出来ずに一言「ごめん」と呟くと、スイレンはため息をついて私の脇に手を入れて、そのまま持ち上げた。
「・・・えっと―――」
『お前、何?』
スイレンの目線の先には、白く大きな―――。
「・・・ヘビ?」
『すまないな、ハルとやら。アンタに助けてもらったのにお礼の一つも出来なくて』
白いヘビがそう言ったのを聞くと、スイレンはため息をついた。
『もう、さあ・・・ハァ・・・ネネ、もういいよ。戻りな』
『・・・主様』
『どうせハルのことだから、お前のことくらい許すだろうし』
私が頷いて見せると、ネネはおずおずとそのヘビの後ろについた。
今気づいたけど、ヘビの後ろにはネネを始め、色んな動物たちがいた。
イノシシや、キツネ、タカ、ウサギ・・・
(・・・この子達も実験体にされていたんだ)
「・・・あの、スイレン。もう下りるよ。ありがとうね」
『うん。・・・それで、僕たちにネネを寄越したのはどういう意図?』
確かに、スイレンの言う通りだ。
“ネネを寄越した”というのは初耳だが、私たちがここにいる意味がよく分からない。
『・・・実は提案があって――――』