第13章 冬と金色の少年。
「じゃあね、ナルトくん。私、そろそろ帰らなきゃ」
冬になると、日が短くなるので必然的に早く帰らなければならない。
ナルトと話していると、あっという間に時間も経ち辺りは薄暗くなっていた。
私がナルトに「今度ね」と言うと、ナルトは俯いて言った。
「・・・“次”ってあるのかよ?」
「え?」
聞き返すと同時に、私は今のナルトは“嫌われ者”だったということを思い出した。
(何の罪も無いのに)
ただ、九尾が封印されているというだけで嫌われるなんて。
理不尽な世界だ。
「あるよ。次はある。また今度、ナルトくんに会いに行くよ」
「・・・今度って、いつだってばよ?」
「そうだなあ、私の気が向いたとき?」
まだ不安そうなナルトに、ぷっと吹き出す。
「何でそんなに不安そうなの?いつかは分からないけど、会いに行くよ。でも、それは明日かもしれないし、一週間後かもしれない」
「じゃあ、」
「でも、心配することなんて何もない!だって、ほら、私たちもう“友達”でしょ?」
今のナルトにとっても、私にとっても、おそらく初めての友達だろう。
ナルトは驚いた表情をした後、「そっか・・・」と目尻を下げた。
「ねえ、私、初めてなんだ。友達出来るの」
「・・・そうなのか?オレもだってばよ」
「フフッ、私たち同じだね!」
最後に大きく手を振ると、私たちは別れた。