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うちはに転生しました。

第13章 冬と金色の少年。






門をくぐり抜け、大きな通りまで来ると、人がたくさんいた。


「多いなー・・・」


“クロ”の姿になって人混みをぼんやりと眺める。

冬になっても、木ノ葉の賑やかさは変わらないようで、私はなんとも言えない気持ちになった。


(・・・もしかしたら、私も、ここで暮らしていたかもしれないんだね)


そう思うと、目に映るものが変わって見える。

笑い合う親子、五人くらいで集まっている女の子たち、手を繋いで歩いていくカップル。

全てが、楽しそうに、幸せそうに見えた。


(ううん、“もし”なんて無いんだから)


隣にいるスイレンが不思議そうに私を見上げている。


『ハル?』

「あ・・・ごめん、ボーッとしてた」

『うん、だと思ってた』

「スイレンには隠し事が出来ないね」

『そりゃそうだよ。キミのことだもの。あとさ、僕もあれやりたいんだけど』

「ふうん、そっかあ・・・。って何が?」


ナチュラルに言ってきたスイレンに聞くと、スイレンは『あれだよ』と言って目線を向けた。


「・・・ほ、火影の顔岩に・・・」


オレンジ色のペンキで、落書きがしてある。

スイレンはあれをしたいと・・・?


「いや、駄目だよ!?」

『えー・・・』


確かに楽しそうっちゃ楽しそうだけども。

そこでふと考える。


「ん・・・?」


(何だか、見覚えが・・・)


すると、周りにいる人たちがヒソヒソと言い始めた。


「ほら・・・あれ見てよ。火影様の顔岩にあんなことするの、あの子しかいないわ」

「ああ・・・また例のあの子?」


(何、この嫌な雰囲気・・・)


「どうせ、またあの子でしょ!“うずまきナルト”!」


その言葉が聞こえたと同時に、私は走り出した。

後ろからスイレンの声がする。


『ちょっ、ハル?』

「スイレン、置いていくよ!」


後ろを振り返りながら大声で言うと、スイレンも勢いよく走り出して、あっという間に私に追い付いた。


『どこいくの?』

「ん・・・?あのね、目指すはあそこ!」


そう言って顔岩を指差すと、スイレンは一度スピードを落とし、私の後ろにつくと、私の股の間を通った。


「うへえっ!?」

『しっかり掴まっててね!』


そのまま私を背中に乗せると、顔岩に一直線に向かった。





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