第13章 冬と金色の少年。
十二月。
もう冬になり、寒さが厳しくなってきた。
「うー・・・寒っ・・・」
雪はまだ降っていないものの、寒いものは寒い。
そんな寒さの中、私たちは外にいた。
『別に、僕は平気だけどね。人間ってのは、やっぱり寒いのが嫌いなの?』
スイレンが不思議そうに言った。
私は、曇り空を見上げなから答える。
「別に、そういう訳じゃ無いと思うけど・・・。単に、私が寒いのが苦手なだけ、かな」
息を吐くごとに、白い息が目に見える。
私は、ぼんやりとスイレンの背中で今日の目的を思い出していた。
全ては、私のあの一言が引き金だった。
“じゃあ、今度一緒にお出かけしよう”
と、私は、スイレンとネネたちの傍にいてもらうかわりに半ば強引に約束したのだった。
約束通り、スイレンは一日後の夕方に私の元へ戻ってきたのだった。
あれから、ネネたちとは会っていない。
と、まあそれはさておき、私たちはその約束を果たしにやってきたのだった。
ちなみに、行き先は木ノ葉の里だ。
『ねえ、何で木ノ葉なの?』
「え?何でって、サスケ兄さんの様子を見たいから?」
『お出かけじゃないじゃん』
「ハハッ、まあ。サスケ兄さんの様子はついでで、木ノ葉には何かありそうじゃん?」
『そうかなあ』
と、森を駆けるスイレンの背中でスイレンと話している。
いつも思うけど、スイレンの足は速い。
『もうすぐで着くよ』
その言葉で訳もなく、私は胸の高鳴りを覚えたのだった。