第12章 準備と突入と、想い。
「えっ、何で!?」
意味が分からない。
何でここに。
「えっ、ええっ・・・?」
混乱する私をよそに、目の前の彼は私の頭のフードをゆっくりと取った。
「ハル」
呆然としたままの、あんぐりと口を開けた私の顔が露になった。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
お互い無言で見つめ合う。
そんな中、私がやっと絞り出すように出した声は小さかった。
「何で・・・ここに?」
今更ながら、おろおろとし始める私。
遅いとは分かっていたけれど、そうせずにはいられなかった。
そして次の瞬間、さらに、イタチによって追い討ちが掛けられる。
「・・・・」
スッとイタチの手が持ち上げられる。
その手には、クナイ。
「へ・・・?」
全く意味が分からない。
頭に“?”を浮かべている私だが、それも一瞬だった。
「忘れ物だ」
「えっと・・・?」
「お前が投げてきただろう」
「―――え゛っ」
まさか。
(まさか、まさかまさか・・・!)
この予想は外れてほしい。
「もしかして、後ろをつけていたのは・・・」
「俺だ」
ギャァアア―――!!
「うっそー・・・」
何とも言えない、私の気の抜けたような声が出た。
しかし、このある意味危機的な状況のなかで、私は、スイレンとネネたちの安眠を頭の片隅で祈っていた。
(うん、今日は色々と・・・あったな)