第12章 準備と突入と、想い。
そして、夜。
「・・・デイダラさん。あそこだよ」
「うん。で、オイラは何をすればいいんだ?」
私たちはあの森に来ていた。
夜になっても、あの男たちは外で見張りをしているようで、肩に乗っているネネがじっとその様子を見ていた。
「・・・ネネ」
『・・・何?』
「落ち着いてね。無茶したら駄目よ」
『・・・』
「スイレン、準備はいい?」
『うん。いつでもいいよ。キミこそ、気を付けてね』
「お互い、ね」
辺りは真っ暗。
あまり見えないけど、でもそっちのほうが敢えて良いのかもしれない。
真っ黒なマントを羽織る。
「じゃあ、行くよ!」
私のその声が合図となり、全員がその男たち目掛けて飛び降りた。
『どういうことや・・・!?』
男たちは全てデイダラに任せ、私たちはあの荷台の中に入ったのだが中身は閑散としていた。
すぐさま外に出て、デイダラが爆発の魅力を語っているのを遮り、男の一人を押し倒し目を合わせる。
男は一瞬だけ抵抗したものの、目を合わせた瞬間、力を失った。
「どこへ連れていったの。答えて」
「・・・と・・・う、ぞく・・・東に・・・売った・・・」
“盗賊”“東に”“売った”
『ハル!』
「行くよスイレン。じゃあデイダラ、任せた」
「もちろんだ、うん。ってか、オイラのこと段々呼び捨てになってきてるな!?」
『ウチは!?』
デイダラに言ったところで、ネネの声が聞こえた。
「何言ってるの?早く来て」
腕を伸ばす。
ネネは私のその言葉を聞いた瞬間、私の腕に飛んできた。
「じゃあ、お願い、スイレン」
『うん。ていうかキミ、結構怒ってるね』
「何当たり前のこと言ってるの。盗賊なんて殺すよ」
私の影分身は何やってるんだ。
そう思った瞬間、頭の中に情報が流れ込んできた。
(・・・私の分身はちゃんと働いてくれてたっぽいね)
「スイレン!場所は分かったから、私の思考読んで!」
『了解』