第12章 準備と突入と、想い。
わいわいガヤガヤ。
全員起きてきて、賑やかで騒がしい朝食時が始まっていた。
そんな中、私はあるタイミングを伺っていた。
「どうしたの?ハル、今日は全然食べないじゃない」
「へっ?い、いや、何てことないよ」
(いつ頼めるかな・・・)
そう、私が伺っているタイミングというのは、今日の助っ人のことだった。
出掛けることはイタチにも言っておこうと思っていたので、ちょんちょんと服を引っ張る。
「ん?」
「ねえ、イタチ兄さん、今日の何時か分からないけどちょっと出てくるね」
「・・・は?」
イタチが思わずといったような声を出す。
それも構わず、私は一気に言ってしまおうと椅子から降りてある人物のところへと向かう。
「ちょっ、おい、ハル!」
「あのー・・・今日暇ですか?」
まさか自分のところに来るとは思っていなかったのだろう、予想もしてなかったことにその人物は「は?」と間抜けな声を出した。
「まあ、暇っちゃ暇かもな・・・うん」
「そうですか!なら、ちょっと今日は私の用事に付き合って欲しいんですけど・・・」
いつの間にか、その場の全員がこちらに注目していた。
あのサソリでさえも、食べる手を止めて横目でこちらを見ている。
「いや・・・何でオイラなんだ、うん」
そう、私が助っ人を頼もうと思ったのはデイダラだった。
しかし、それには理由がある。
だって、単純っぽいから。
「それに!」
ちょいちょいと手招きし、耳を寄せるようにジェスチャーする。
デイダラは怪訝な顔をしながらも、私に顔を近付けてきた。
「それに・・・デイダラさんの、“芸術”が披露出来ますけど・・・」
その言葉を言った瞬間、デイダラは目を輝かせ始めた。
「ホントか!なら、このオイラが協力してやらんでもないぞ、うん!」
「ありがとう!なら、頼みます!」
私たちは互いの手を取り合い、ブンブンと上下に振った。
そんな様子を他のメンバーたちは不思議そうに見ていたのだが、サソリだけは違った。
「おいこらテメェ、俺も混ぜろ」
「・・・はっ?え、嫌です」
「ああ!?んだとテメェ」
「え、だってアンタ来たらオイラの芸術が・・・」
「知るかよ、んなもん」