第12章 準備と突入と、想い。
数十分後。
私たちは、出掛ける準備をしていた。
何故かというと。
「よし、全員支度は出来たか?」
「待って、オイラがまだだ、うん」
「私は大丈夫よ。あと、イタチ良かったわね。ハルが見つかって」
「ああ、本当にな。って、おい、サソリ。お前それじゃあ寒いだろ」
「はあ?俺は傀儡だから寒くも暑くもねえんだって。いい加減覚えやがれ。つか、なんでわざわざ、」
「外に食べに行くんだ?」
そう、何故か皆で外食することになったのだ。
あのあと、イタチの部屋に連れていかれた私は「寒いから」という理由で上に羽織らせれた。
そして、意味がわかってない私を、いつの間にか戻ってきたスイレンたちに笑われた。
「ハル、寒くないか?」
「大丈夫だよ。イタチ兄さんは・・・」
「俺は大丈夫だ。あ、そういえば、飛段は?」
「・・・アイツは寝てたから置いてきた」
何故よりによって今日なのかは分からなかったけと、皆楽しそうだったからいっかと思えた。
(あーあ、今日は明日の作戦考えようと思ったのになあ)
今は、もうすぐ十一月。
さすがに夜は寒くて手を擦っていると、イタチが上から自分の手を重ねてきて二人で笑い合った。
「今何時?」
「・・・七時くらいかな。まあ戻ってくるとしても、大体九時ぐらいになるんじゃないか?」
「ふうん・・・」
そんな会話をしていると、急に皆が次々と印を結び始めた。
とっさのことに私は身を固めるしかなく、キョロキョロと辺りを見渡すのだった。
「よし、これで大丈夫。・・・っておい、大丈夫か?」
ぱちくり、と瞬きを一つ。
そして、次の瞬間隣にいたのは、知らない人だった。
「・・・どちら様?」
思わず聞くと、「俺だ」という声が返ってきた。
周りを見ても知らない人。
・・・さっきまで皆いたのに。
「俺だ、ハル。兄さんだぞ」
「・・・イタチ兄さん?」
「ああ。俺たちはちょっと事情があって姿を変えないと駄目なんだ」
ああ、そうだよね。
忘れてたけど、ここにいる私以外の人は犯罪者だった。