第12章 準備と突入と、想い。
ソロ、と周りを窺う。
丁度一人になってくれる、なんてそんな都合の良いことにはなってくれないようで。
(行くしかないよね・・・)
よし、と一人で気合いを入れると男たちのいるところへ向かった。
「こんにちは!」
「あん?」
元気よく、精一杯可愛い女の子を演じる。
頑張れ、私。
「お兄さんたち、ここで何してるの?」
すると、男たちの中の一人に子供好きがいたようで私に声を掛けてきた。
やっぱり、性分は変えれないよね。
「嬢ちゃん、何してる?迷子なっちまったのか?」
「ううん!あのね、はい!飴あげる!」
三つ、手のひらに飴を乗せる。
良かった、飴持ってて。
この飴は小南から貰ったものだ。
ニコニコしていると、男の一人が一つ取った。
「ねえねえ、明日もここにいるの?」
「さあな。どうだか、もしかしたらいるかもな」
「ふぅん。分かった!なら、また明日!」
残った飴を男に押し付け、大きく手を振りその場を去る。
そして、人混みに紛れるとそのまま元いた場所に戻った。
ヒョイヒョイと森の中に入ると、
「・・・疲れた」
『ハル、あんな子供にもなれるんだね。僕、びっくりしたよ』
『ウチも』
「うん、私もだ」
それぞれから感想を貰った。
複雑だ。
「うん、一旦帰ろう。影分身をここに残していくから、何かあったら分かるし」
『うん、了解』
『・・・うん』
印を結びながら、ネネを見る。
影分身の私とハイタッチしたところで、ネネを頭を撫でる。
自分とハイタッチなんて、そう経験出来ることでは無いだろう。
『っ・・・?』
「ネネ、もう少しの辛抱よ。頑張ろうね」
『・・・うん』
ネネは、ぎこちなく頷いた。
「大丈夫だって。それに私、助っ人頼んでみるから」
『スケット・・・?』
「うん、手伝ってくれる人!」
『本当・・・?』
「大丈夫!私が、死んでも助けるからね!」