第11章 ネネの正体。
「・・・その子たち、どこにいるか分かるの?」
『・・・うん。・・・大蛇丸の手下に、う、売られたみたいでっ・・・!』
私が聞くと、ネネは我慢出来ないといった風に涙声になった。
「ほら、泣かないの。泣くのは助けてからにしなよ?」
『えっ・・・?』
ネネが驚いたように声をあげる。
当たり前じゃん。
「場所が分かってるなら何とかなるでしょ。でも、私だけじゃ出来ないな。私、弱いもの。誰か、私のこと助けてくれる優しい方、いませんかねえ・・・?」
私は所詮子供だ。
弱いし、何も出来ない。
昨日のだって、カブトは私を完全に遊んでいた。
(駄目だな、このままじゃいけない)
私自身も心の中で自分を叱咤しつつ髪も随分乾いたので、浴室から出ようとする。
「あーあ・・・誰かいないかなー・・・」
視界の端でオオカミの姿に戻ったスイレンが何か言いたそうにしている。
『ね、ねえ。僕、手伝うよ?』
その言葉を待ってたの。
「そうこなくっちゃ!」
ニッコリ笑うとスイレンも尻尾をユラユラさせた。
イタチの部屋に帰る時にも、私はスイレンの背中に乗せてもらった。
そして私の肩にはネネが乗っている。
『ねえ、ハル。僕が言い出すこと分かってたでしょ』
「えー?どうかな」
『主様・・・ハル・・・。ありがとう!!ホンマ感謝してもし足りんわ』
ネネは本当に嬉しそうで、でもどこか不安げだった。
気を抜くと、泣いてしまいそうな、そんな感じだった。
そんなネネの様子をチラ、と見ていると何だか早く行かなきゃいけないように思えてきた。
「んー・・・今から行く?」
『ハル・・・まあ、キミなら言うと思ってたけどさ』
『ホンマに!?』
私の提案にスイレンとネネのリアクションはそれぞれだった。
しかし、それを却下したのは意外にもスイレンだった。
『でも・・・駄目だよ』
『何でや・・・!?』
『普通に考えて分かるでしょ。今から行ってどうするの?準備もまだだし、下調べもしてないでしょ?』