第11章 ネネの正体。
「ん・・・」
目を覚ますと、見慣れた天井だった。
少し頭痛がする。
(・・・イタチ兄さんの、部屋か)
私、何してたんだろう。
確か―――。
“余所見は禁物、だね!!”
大蛇丸とカブトと初めて接触したんだっけ。
・・・っていうかあれ、接触っていうのかな。
「んっ・・・」
上半身を起こすと、目の前に白い猫がいた。
「・・・スイレン?」
『おっ、ハル。おはよう』
「・・・ん。今、何時?」
『うん、十時だよ』
・・・は?
夜の?
『ううん。朝の!』
「・・・昨日帰ったの何時くらい?」
『んーっとね、夕方の・・・四時くらいじゃないかな』
「ネネは?」
『ネネはね、そこにいるよ』
そこ、と言われ視線を横に向ける。
「おっ」
『ハ~ル~!良かった、ウチ、もうこのままアンタが目覚まさないんじゃないかって・・・ううっグスッ・・・ごめんな~!?』
私の真横にいたらしいネネは、私と目が合うと次第に声が涙ぐみ始め、終いには泣き始めた。
「ネネ・・・!ちょっ・・・泣かないの。あのくらいで死ぬわけ無いでしょ。それに私はスイレンに血飲まれてんだから」
いつもなら寝起きはボーッとしているが、ネネのお陰で今日は目が覚めた。
すると、私の言葉でバッと勢いよく顔を上げたネネは、『ホンマ!?』と大きな声で言った。
「うん。ホントだよ」
『そっか!ならホンマに大丈夫やんな!?』
ズイ、と私の鼻とネネのくちばしがくっつきそうな勢いでネネは身体ごと乗り出した。
『近いよ!?』
スイレンが言うが、ネネは聞いておらず、うんうんと私が頷くと安心したのかホッと溜め息をついた。
そして、ネネを気が済むまで撫でてやっていると、ふと気が付く。
「・・・そういえば、私、着替えてるんだけど。誰が着替えさせてくれたの?」
『んーとね、僕!』
『違うわ、主様嘘つくなて。黒髪のイケメンが着替えさせてくれとったで』
「そっかあ。・・・イタチ兄さんが、かあ。後でお礼言っとこ」
私が丁度呟くと、部屋のドアが開いた。